月経のトラブル


「月経痛(生理痛)は
我慢しないで」
初潮を迎えると、これから約40年間、月経とのお付き合いの始まりです。
女性のライフステージにおいて月経は様々な関わりを持つものです。
閉経まで約450から500回の月経と向き合わなければなりません。
現代女性は出産回数の減少によって月経回数が増加し、昔の女性と比べ回数は9から10倍にもなるという報告もあります。
多すぎる月経は日常生活に影響し健康にも害が及ぶ場合があります。
月経をよく理解し快適な生活を送りましょう。
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月経痛・月経困難症
月経のトラブルで最も多いのが月経痛(生理痛)です。
上手に付き合わなければ色々な場面でのパフォーマンスの妨げになります。
「生理痛は我慢する」ものだという考えは捨ててしまいましょう。
上手に乗り切る方法は色々あります。また月経痛を放置すると成熟期に入ってから様々な病気になる可能性があります。(→ 婦人科一般 を見る)
つらい思いや悩みを1人で抱えず、早めに婦人科を受診して下さい。 -
月経の量・期間・周期の異常
◯ 初潮の遅れ(遅発月経)
15才になっても初潮が来ない◯ 過多月経・過少月経
月経血の量が多い(かたまりが出る)・量が少ない◯ 過長月経・過短月経
8日以上ダラダラと出血が続く・月経が3日以内◯ 月経周期(月経の間隔)の異常(月経不順)
<正常な周期:25~38日>
・頻発月経:24日以下
・希発月経:39日以上、90日未満
・無月経:90日以上月経がない
(思春期、更年期には多少のずれがあり周期が一定でないことがあります。) -
月経前症候群(PMS)/月経前不快気分障害(PMDD)
月経前にホルモンの変動によってカラダとココロの変調をきたし日常生活や社会生活に支障を来している状態です。
月経1週間前頃からこんな症状がないかチェックしてみましょう
特に精神面での不調が著しい場合をPMDDと言います◯ 手足がむくむ
PMDDでは月経が終わった後も症状が続くことがあります
◯ お腹がはって腹痛がある
◯ 頭痛、めまい、肩こり
◯ 肌の調子が悪くニキビができる
◯ カラダがだるく、眠気がとれない
◯ 気分が落ち込んでやるきが起きない
◯ イライラして怒りっぽくなる など◯ 激しいうつ状態、絶望感
どの診療科を受診するか迷われるかもしれませんが、
◯ 突然悲しくなって涙が出る
◯ すぐに怒るようになり人間関係のトラブルが増える
◯ 倦怠感が強く、気力がわかない
◯ ものごとに集中できず引きこもってしまう
◯ 過眠や不眠
◯ 過食や偏食 など
月経前の不調があればまず婦人科に相談してみることをおすすめします!

月経のトラブルの診断と治療
すべての方に内診をすることはありません。
一人ひとり症状が異なります。
エコー検査などで子宮、卵巣に器質的な病気がないかどうかをチェックし、
あなたに適した治療をよく話し合って、最善の治療方法を決めたいと思います。
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検査
エコー(超音波検査)・血液検査(ホルモン検査など)
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治療
・日常生活面の指導 (規則正しい生活、十分な睡眠、適度な運動などの生活習慣)
・鎮痛薬
・漢方薬
・低用量ピル(LEP)
・プロゲスチン(ジェノゲスト)
・GnRHアゴニスト・アンタゴニスト製剤
・子宮内黄体ホルモン放出システム(LNG-IUS)
・SSRI (抗うつ剤の一種) / 自律神経調節薬 / 精神安定剤
・手術療法 など