アンチエイジング・
高齢期

アンチエイジングのポイントは
女性ホルモンと
上手に付き合うこと

ホルモン補充療法(HRT)を上手に使えば(適切に管理をすれば)、更年期障害の治療だけではなく、女性ホルモン(エストロゲン)を暫く使い続けることが出来ます。
皮膚の保水効果を高め、肌のキメを整え、粘膜を潤す効果が期待でき、外観だけでなくカラダの中からのアンチエイジングにつながることがポイントです。
ただしHRTは誰でも出来るわけではなく、治療開始にあたっては持病や合併症がないかを確認する必要があり、また、定期的な検診、検査を行っていきます。
治療に関してメリットとデメリットをしっかりと話し合い、自分に必要な治療かどうか選択して下さい。治療期間については、「HRTの継続を制限する一律の年齢や投与期間はない」(ホルモン補充療法ガイドライン)とされています。症状などに応じていつまでも継続は可能であるといえます。
HRTには経口剤(内服薬)、経皮剤(貼付剤、ゲル剤)、経腟剤などの種類があり、その人に応じて安全で快適な方法を選ぶようにしています。
HRTが使えない方、ホルモン剤の使用に抵抗がある方は他の治療法としてプラセンタ注射や漢方療法を行っています。

カラダの中からアンチエイジング、
ココロの内から
ハッピーエイジング

閉経後は女性ホルモン(エストロゲン)の恩恵がなくなり、骨や血管の強さ、関節の動き、認知機能、肌や粘膜の潤いなどが低下しやすくなります。更年期に始まる脂質代謝の変化が動脈硬化、心血管疾患のリスクを増加させるほか、骨量の減少、骨粗しょう症が始まるのもこの時期です。これらの変化には、エストロゲンの減少が関与しています。
更年期、閉経は単なる月経の停止ではなく、それまでの健康状態を見直し、長期的な視野で健康寿命を延ばすためのスタート地点です。“フレイル”を予防するためにも、更年期からの準備が必要です。
フレイルとは「身体的要因」、「心と認知の要因」、「社会的要因」が互いに影響し合って、カラダとココロが弱くなった状態です。「身体的要因」では骨粗しょう症、関節障害による動作の制限、筋力の衰え(サルコペニア)など、「心と認知の要因」は認知機能の低下、判断力の低下、抑うつ状態など、「社会的要因」は外出の減少、人との付き合いの減少、閉じこもり、老老介護などの問題があります。これらが重なり合い、フレイルが進行していきます。
更年期頃から増え始める生活習慣病、閉経後の骨粗しょう症を予防することで、健康寿命を延ばすことができ、自分の体に自信を持つことができると思います。カラダが元気で美しくあれば人との付き合いも楽しむことができ、ココロもハッピーになるはずです。
寿命が尽きるのをただ待つだけの老後はもったいないと思いませんか?
「人生100年時代」健康寿命を延ばして元気で美しい「センテナリアン」(100歳以上の人)
を目指しましょう。

※ちなみに鳥取県の女性の健康寿命は74.1歳で全国ワースト8位。
平均寿命の87.9歳との差は10数年の開きがありこの間介護や看護が必要になります。(2020年統計)