婦人科一般

「月経の異常、おりもの、
不正出血」に注意

  • 月経不順や無月経は卵巣の働きがうまく機能していない可能性があります。

    卵巣機能不全

    月経は脳の中にある視床下部、下垂体と卵巣、子宮が連携して起こります。月経の異常はいずれかの機能が低下することで引き起こされ、さまざまな年代で見られます。
    原因としては過度なダイエット、激しい運動、肥満、やせ、精神的ストレス、薬の副作用など日常生活の中に問題があることが多く、それを解決することにより正常になっていきます。
    ただ子宮筋腫や子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)などの病気が隠れている場合もあるので、検査を受けた方が良いと思われます。放置しておくと不妊の原因になり、更年期障害や骨粗しょう症のリスクが高まる場合があります。検査はホルモン測定や超音波検査などを行います。治療方法は生活習慣の改善、漢方療法、ホルモン剤治療など。

  • 月経困難症

    「月経痛(生理痛)は我慢しないで」

    → 月経のトラブルについて詳しく見る
  • 膣炎・外陰炎

    「おりもの」は月経周期に応じて変化し個人差があります。
    しかし黄色っぽかったり、臭いがあったり、かゆみが出たり、量が極端に多かったりしたら病気の可能性があります。
    細菌性腟炎、カンジダ腟炎、トリコモナス腟炎などの病気のほか、性感染症の心配もあります。
    早めに受診して下さい。

    → 性感染症について詳しく見る
  • 不正出血

    「不正出血」は月経以外に性器出血があることです。
    特に接触出血(SEX時の出血)は子宮頸がんや子宮頸管ポリープなどの病気が心配です。
    閉経後の出血にも注意して下さい。

    子宮がん ⋯

    子宮がんには「子宮頸がん」と「子宮体がん」があり、頸がんは最近若い方に増えています。頸がんの原因となるヒトパピローマウイルス(HPV)は、ワクチン接種で予防することができます。
    → 子宮がん検診について詳しく見る → 子宮頸がんワクチン(HPVワクチン)について詳しく見る

    子宮頸管炎 ⋯

    子宮の出口に炎症が起こり、不正出血があったりおりものが多くなる症状が出ます。

  • 卵巣腫瘍

    卵巣は子宮の左右に1つずつあり、腫瘍が小さい場合は無症状の場合が多く、検診などで見つかることがあります。大きくなるとお腹が張るなどの圧迫症状が出現します。急な下腹部の激痛は“茎捻転“が疑われ緊急手術が必要になる場合があります。腫瘍の多くは良性腫瘤ですが、中には悪性腫瘍の場合もあるので、定期的な婦人科検診で経腟超音波検査を受けることが大切です。

  • 骨盤臓器脱

    骨盤内臓器(子宮、膀胱、直腸)が膣から外の方に出てくる病気です。
    「膣から何かが下がってきた。」「ピンポン玉のようなものを触れる」などの違和感や不快感があり、排尿障害や排便症状が認められます。
    治療法は骨盤底筋訓練、ペッサリーリングの挿入、エムセラ、手術療法などがあります。
    *エムセラに関しては提携病院に紹介致します。

  • 膀胱炎

    膀胱炎は男性に比べ女性に多い病気です。原因として冷え、ストレス、疲労、体の構造上の問題、排尿回数の少なさなどがあります。排尿時痛、頻尿、残尿感などの症状があれば早めの治療をお勧めします。 放置しておくと慢性化したり、習慣化する場合もあり当院に受診して下さい。

  • 子宮筋腫・子宮内膜症・子宮腺筋症

    月経の異常、特に「月経痛がひどい」、「月経血の量が多い」、「月経不順がある」などの症状がある場合は子宮筋腫、子宮内膜症、子宮腺筋症などの可能性があるので早めの受診をお勧めします。

    子宮筋腫 ⋯

    女性の3~4人に1人が発症するといわれ過多月経や月経痛、不正出血、貧血などの症状があります。現在は薬での治療が進歩し手術をせずに治療しますが、薬の効果がない場合は手術療法の適応になります。

    子宮内膜症 ⋯

    子宮の内膜組織が子宮腔以外に発生して月経の内膜組織と同様な変化を繰り返し出血や癒着を起こし月経痛が強くなる病気です。
    現代女性は月経回数が増加して子宮内膜症が増えてきています。
    思春期の月経痛を我慢すると将来子宮内膜症になるといわれ若い頃から気をつけていかなければなりません。
    又、不妊症の原因にもなり早めの治療が必要です。低用量ピルやプロゲスチン製剤を処方します。

    子宮腺筋症 ⋯

    子宮の内膜組織が子宮筋層に入り込み子宮筋腫と同様な症状を来します。
    子宮筋腫、子宮内膜症と同様な治療を行います。

  • 性感染症(STD)

    性感染症は性的接触により口や性器などの粘膜や皮膚から感染します。
    「おりもの」の量が増え、臭い、色が変化したり外陰部に痒み、痛みがでたりイボが出来たりします。
    無症状の場合も多く気がつかない場合もあります。不安に感じたら早めに検査を受けましょう。早期の治療が必要です。パートナーも検査、治療することが大切です。
    放置しておくと不妊症の原因になり、分からないまま妊娠、出産すると赤ちゃんに影響が出たりします。

    【主な性感染症】
    ◯ クラミジア感染症 
    ◯ 淋菌感染症 
    ◯ マイコプラズマ 
    ◯トリコモナス腟炎 
    ◯ 性器ヘルペス 
    ◯ 尖圭コンジローマ 
    ◯ 梅毒 
    ◯ HIV(エイズ) 
    ◯ B/C型肝炎